[メイン] 仮パス : x5 3d6 #1 (3D6) > 14[4,6,4] > 14 #2 (3D6) > 9[1,2,6] > 9 #3 (3D6) > 9[1,3,5] > 9 #4 (3D6) > 10[5,4,1] > 10 #5 (3D6) > 13[6,2,5] > 13

[メイン] GM : 準備出来たら教えろ

[メイン] 本庄アル : 教えるわ!

[メイン] GM : 出航だァ~~~

[メイン] 本庄アル : 出航だァ~~~~~~~~!!!!!

[メイン] GM :

[メイン] GM :

[メイン] GM : 【CoCシナリオ】『夕色に戯れる影』

[メイン] GM :

[メイン] GM :

[メイン] GM : 導入

[メイン] GM : 今日もまた
日がゆっくりと地平線に向かって落ちていく 夕暮れの道。

[メイン] GM : 探索者は学校を終え のんびりと いつもの帰り道を歩いていた。

[メイン] 本庄アル : 「ふわぁ……今日は久々にくたくたねぇ……」

[メイン] 本庄アル : 「これ以上休んだら顧問に怒られるとはいえ……あそこまで厳しくしなくてもいーでしょうが!」

[メイン] 本庄アル : 「ふぅ……」

[メイン] 本庄アル : ふと空を見上げる。夕暮れの通学路。茜色の空は私の疲労を少し癒やしてくれるかのようだった。

[メイン] 本庄アル : 「あ~、空は綺麗ね~……このまま吸い込まれちゃいそう……映画のワンシーンみたいだわ」

[メイン] 本庄アル : 「……ん~~~!」

[メイン] 本庄アル : ぐっと背伸びをする。今日も帰って宿題に予習をしないと。なんたって、私は……

[メイン] 本庄アル : 世界の副委員長なんだから!

[メイン] GM : その時。

[メイン] GM : 「アル?」

[メイン] GM : 後ろから君を呼ぶ声が聞こえた。

[メイン] 本庄アル : 「ほへ?」

[メイン] 本庄アル : 突然呼びかけられて、自宅へと向かう足を止める。
この声は……?振り向いてみる。

[メイン] GM : 声の方に顔を向ければ稗田阿求が夕日色に染まりながらあなたに駆け寄ってくる。

[メイン] GM : アルの近所に住んでいる、幼馴染のような間柄の人物だ。

[メイン] 稗田阿求 : 「うん、やっぱりアルね」

[メイン] 稗田阿求 : 振り向いた顔を見て言う。

[メイン] 本庄アル : 「あ!やっぱり阿求おねーちゃん!」

[メイン] 本庄アル : 「いきなり声掛けられて変な声出しちゃったけど……私には誰かお見通しなんだからね!」

[メイン] 本庄アル : 「なのであの声については忘れてくださいっ」

[メイン] 稗田阿求 : 「はいはい……」

[メイン] 稗田阿求 : 「……どちらかと言うと、往来で”おねーちゃん”呼びの方が気にするべきだと思うけど」

[メイン] 本庄アル : 「う……そ、それもそうね。もしクラスメイトに見られたら頼りになる副委員長というイメージが崩れてしまうわ……」

[メイン] 本庄アル : 「それにしても奇遇ね阿求姉さん!私は学校帰りだけど、そっちも同じかしら?」

[メイン] 稗田阿求 : 「ん、そんなところ」

[メイン] 稗田阿求 : 簡潔に返すと、アルの横に並んで歩く。

[メイン] 稗田阿求 : 何も言わずとも一緒に帰るつもりらしい。

[メイン] 本庄アル : 「どこか寄ってったりする?」

[メイン] 本庄アル : テクテクと歩きながら他愛もない会話をする。彼女に会った事で、先程まで考えていた疲れも何処へやらといったところだ。

[メイン] 稗田阿求 : 「副委員長さんが帰り道で寄り道だなんて、いいのかしら?」

[メイン] 稗田阿求 : 口元に手を当てて尋ねた。笑みを隠しているようだ。

[メイン] 本庄アル : 「むぁ……!そ、そおよね……ついはしゃいじゃったわ」

[メイン] 本庄アル : ……彼女の前では、つい素の自分を見せてしまう。

[メイン] 稗田阿求 : 「別に、いいんだけどね? そんな告げ口をする気も無いもの」

[メイン] 稗田阿求 : 「何よりこんな偶然で会えたんだから、ね」

[メイン] 本庄アル : 「……!じゃあじゃあ、本屋寄ってこ!ちょっと気になってた雑誌があって~!」

[メイン] GM :

[メイン] GM : 君たちは商店街の方へと歩みを進めた。

[メイン] GM : 他愛無い会話をしながら歩いていると、道中、公園の側まで来る。
そこでは、帰宅前の子供たちが伸びる夕日の影を使って“影踏み鬼”をしているようだ。

[メイン] 本庄アル : 本屋で目当ての雑誌「eighteen」を買った後。
商店街を通って自宅まで帰る道の途中、ふとある公園が目に入る。

[メイン] 本庄アル : 「ふわぁ……さ、流石に部活終わりに寄り道はつかれた……!」

[メイン] 稗田阿求 : 「……ふふ、少し休みましょうか」

[メイン] 本庄アル : 「あ、それならそこの公園で休も!あそこは自販機もあるしね!」

[メイン] 稗田阿求 : 「はいはい」

[メイン] 本庄アル : そうして、市街地の中にある公園へと足を踏み入れる。
この公園は、私にとっては実は結構思い出深い公園だ。その昔は、阿求おねーちゃんとよく2人でかけっこや砂場遊びをしたというもの。

[メイン] 本庄アル : そういえば、最近はここに来る事もめっきり無かったなぁ……と思いつつ、ベンチに腰を降ろす。

[メイン] 本庄アル : 「ふぃ~……つかれた」

[メイン] 稗田阿求 : 「年を取るのは辛いものね……」

[メイン] 本庄アル : 「ちょっとぉ!まだ私はうら若き14歳なんだから!まだまだ力は衰えてないんです~!」

[メイン] 稗田阿求 : ほうと一息ついて、自動販売機で購入していた緑茶に口を付けている。

[メイン] 稗田阿求 : 「いいわね、若いって……」

[メイン] 本庄アル : 「……ん。そおね」

[メイン] 稗田阿求 : なお当人も未だ16歳とする。

[メイン] 本庄アル : 一緒に自販機で買った午後茶をグビッ!としながら答える。
目線の先には、夕暮れの中元気にはしゃぐ、子供達の姿があった。

[メイン] GM : 子どもを見れば、1人だけ影の中にも隠れていない注目されそうな位置に立っているのに、全く鬼の子に気づかれていない子がいることに気が付く。

[メイン] 本庄アル : 「昔はこんな時間になっても、ず~っと遊び回ってたわよねぇ……」

[メイン] 本庄アル : 「何だか懐かしいな」

[メイン] 稗田阿求 : 「ん、そうね……」

[メイン] 稗田阿求 : 少し宙に視線を巡らせた。

[メイン] 稗田阿求 : 「……何だか最近、こうしてゆっくりすることもなくて」

[メイン] 稗田阿求 : 「少し、あの子たちが羨ましいかもね……なんて」

[メイン] 稗田阿求 : 子どもの方に目を向ける。

[メイン] 本庄アル : 「お互い学校が離れてからは中々会う機会も無かったもんね~……また今度、ゆっくり遊びに行けたら……」

[メイン] 本庄アル : 遊び回る子供達を見ながら、そんな事を言い……んん?

[メイン] 本庄アル : 「ねえ、阿求姉さん」

[メイン] 稗田阿求 : 「ん」

[メイン] 本庄アル : 「あの子……あんなに目立つ所にいるのに全然影踏まれてないわね?」

[メイン] 本庄アル : 子供達に気付かれて水を刺さないよう、こっそりと指を指して伝える。

[メイン] 稗田阿求 : 「んん……そうね。ちょっと不思議だけど……」

[メイン] 稗田阿求 : 「気になるの?」

[メイン] 本庄アル : 「ん~……話してる最中ずっと見てたから、何となく注目しちゃったのよね」

[メイン] 本庄アル : 「あの子だけ無敵……とか?」

[メイン] 稗田阿求 : 「まさか」
笑う。

[メイン] 稗田阿求 : 「そうね、不思議なら……声をかけてあげればいいんじゃないかしら」

[メイン] 本庄アル : 「ええ~!いきなり声を掛けるのもなぁ……ん~……」

[メイン] 本庄アル : 「んんん……」

[メイン] 本庄アル : 「じゃあ……ちょっと聞いてきちゃおっかな?あの子達に警察呼ばれそうになったら、私の弁護しにきてね!」

[メイン] 稗田阿求 : 「うん。もしかしたらどこか悪くしたのかもしれないし、そうじゃなくて寂しいかもしれないわ」

[メイン] 本庄アル : 「なんちゃって」

[メイン] 本庄アル : 舌を出す。

[メイン] 稗田阿求 : 「…………」

[メイン] 稗田阿求 : 「立つなら弁護席よりも証人席になりそうね……どれだけ被告がいい加減かを証言する……」

[メイン] 稗田阿求 : 「バカなことを言ってないで行くなら行ってあげなさい」

[メイン] 本庄アル : 「ああっそんなぁ!せめて私に有利な証言をしてください~~」

[メイン] 本庄アル : そんな冗談を言いつつ、「行ってくるね」と軽く手を振ってから彼らの方へ歩いていく。

[メイン] 本庄アル : そして……

[メイン] 本庄アル : 「やっほやっほ!」

[メイン] 本庄アル : 後ろで手を結びながら、少年たちに出来るだけ気さくに声を掛ける。

[メイン] GM : ざわざわと少年たちがアルの方に注意を向ける

[メイン] 少年 : 「ど、どうも」

[メイン] 少年たち : チョットダレダヨアノヒト…
シリアイ?
シラナイ……

[メイン] 本庄アル : ウッ…ウッ…ウアッ……!!

[メイン] 本庄アル : 「え、えーと!私はちょっとそこのベンチで午後茶を飲みながら黄昏れてた中学生なんだけどね!」

[メイン] 本庄アル : 「あなた達が遊んでる様子が目に入って……ちょっと気になったから声を掛けさせてもらったの」

[メイン] 少年 : 「は、はい」

[メイン] GM : リーダー格っぽい少年がとりあえず代表として受け答えする雰囲気になったらしい。
時々他の少年に恨みがましい視線を向けている。

[メイン] 本庄アル : (ん~、このグループにも深い人間関係ってやつかしら?)

[メイン] 本庄アル : 「ねえ、あの子はどうして影を踏まれないのかな?」

[メイン] 本庄アル : 注目されそうな位置に立つ、男の子の方を見ながら言う。

[メイン] 本庄アル : 「何か特殊ルールとかあるのかな~……と思って気になっちゃってね~」

[メイン] 少年 : 「え、ああ」
ピンと来ないような様子で話を聞いていたが、影を踏まれていない少年の方を見ると……

[メイン] 少年 : 「…………確かに気にしてなかった」
納得したように頷いた。

[メイン] 少年 : 「お前影薄いなー……」

[メイン] 少年 : 「ルールとかは無い……です。なんか、気づかなかっただけで……」

[メイン] 少年 : 不思議そうに首を傾けていた。

[メイン] 本庄アル : 「そおなの?不思議な事もあるものねぇ……」

[メイン] 本庄アル : 影の薄かった少年に目星とかって出来る?

[メイン] GM : 出来る

[メイン] 本庄アル : 振っていいかしら!

[メイン] GM : いい

[メイン] 本庄アル : ccb<=90 目星 少年 (1D100<=90) > 60 > 成功

[メイン] GM : その子の影が他の子と比べて薄く、そして淀んでいることに気が付く。
もちろん物理的な方の影です

[メイン] 本庄アル : (……あの子の影、他の子に比べてやけに薄い……?)

[メイン] 本庄アル : 他の子達の影は全員普通かしら?

[メイン] GM : 普通です

[メイン] 本庄アル : 振り返って私の影を見てみてもいい?

[メイン] GM : 普通です

[メイン] 本庄アル : (ん~……ちょっと気になるわね)

[メイン] 少年 : 「とりあえずお前、しばらく鬼やってなかったから次お前鬼な!」
影の淀んだ少年に声をかける。

[メイン] 少年 : そのまま有無を言わさず淀んだ影を一息に踏んだ。

[メイン] GM : すると、影の淀んだ少年は少しハッとした顔になり。

[メイン] GM : そのまま頷いて遊ぶ少年たちの輪に溶け込んでいった。

[メイン] 本庄アル : その子の影は淀んだままかしら?

[メイン] GM : 普通の影になってるように見えます。

[メイン] 少年 : 「あの……これ以上なんかありますか?」
居心地悪そうに問いかける。

[メイン] 本庄アル : 多分大丈夫だと思うけど、他の子の中に淀んだ影が無いか確かめていい?

[メイン] GM : いいよ

[メイン] GM : 無い

[メイン] 本庄アル : でしょうね

[メイン] 本庄アル : 「ん、それが気になっただけだから!耳タコだと思うけど、あんまり遅くなって親御さんを心配させないようにね!」

[メイン] 少年 : 「は、はい」

[メイン] 本庄アル : 「それじゃ!」

[メイン] 少年 : 頭を軽く下げる。

[メイン] 少年たち : ナンダッタンダヨアノヒト
フシンシャ?
コワイ
オレハアアイウヒトスキ

[メイン] 本庄アル : 「ふふん……この美少女が不審者に見えるなんて……」

[メイン] 本庄アル : 帰りながら小声で呟く。

[メイン] 本庄アル : 「……不審者だなぁ」

[メイン] 本庄アル : とぼとぼと、阿求の待つベンチへ帰る。

[メイン] 本庄アル : ……阿求さんいます?

[メイン] GM : 楽し気にしながら待ってる

[メイン] 稗田阿求 : 「お帰りなさい」

[メイン] 本庄アル : 「ただいまぁ~……」

[メイン] 本庄アル : 彼女の隣に再び座る。

[メイン] 稗田阿求 : 「その様子じゃ……と言っても話は漏れ聞いてたけど。散々だったみたいね?」

[メイン] 本庄アル : 「証人様!もしあの子達に訴えられたら有利な証言をなにとぞ!」

[メイン] 稗田阿求 : 「ふふ……ちゃんとやりますから」

[メイン] 稗田阿求 : 「孤立している子を心配して声をかけてあげただけの優しい子ってね」

[メイン] 本庄アル : 「えへへ~……助かります……!」

[メイン] 稗田阿求 : 「……じゃあ、そろそろ行きましょうか? ちょっと寄り道しすぎたかもしれないわ」

[メイン] 本庄アル : 「……ん!そおね」

[メイン] 本庄アル : 午後茶のキャップを締め、鞄を手に取る。

[メイン] 本庄アル : 「そういえば……」

[メイン] 本庄アル : 「さっき気付かれてなかった子……やけに"影"が薄かったのよね」

[メイン] 稗田阿求 : 「ふうん?」

[メイン] 本庄アル : 帰宅の準備をしながら、何気なく先程気になった事を伝える。

[メイン] 本庄アル : 「あっちの影じゃないのよ?本物の影の方。何ていうか、薄くて淀んでたっていうか……」

[メイン] 本庄アル : 「まぁ、その子が鬼になった後もう一度見たら普通の影になってたから……気のせいかもしれないんだけどね?」

[メイン] 本庄アル : ふと阿求姉さんの影を見てもいいかしら?

[メイン] GM : なんともない

[メイン] 本庄アル : 私の影はどう?

[メイン] GM : なんともない

[メイン] 本庄アル : おっけー!

[メイン] 稗田阿求 : 「……気にしすぎじゃないかしら」
ちらちら視線を影に落としているのを見て

[メイン] 本庄アル : 「んん……そおよね?ちょっと疲れて目が霞んだだけかしら……」

[メイン] 本庄アル : ペットボトルを傍のゴミ箱へ、キャップとラベルを別々にして捨てつつ……

[メイン] 本庄アル : 「ん、それじゃ帰ろっか!」

[メイン] 稗田阿求 : 一緒に捨てる。お茶はアルが少年と話している間に飲み終わっていたらしい。

[メイン] 稗田阿求 : 「そうね」

[メイン] 稗田阿求 : 「あ。それじゃあ」

[メイン] 稗田阿求 : アルの方に一歩距離を詰める。

[メイン] 本庄アル : 「どおかした?」

[メイン] 本庄アル : 微笑みながら彼女の方を見る。

[メイン] 稗田阿求 : 「アルの影踏んだ……なんてね」

[メイン] 稗田阿求 : 足元を見れば阿求の足はアルの影を踏んでいるだろう。

[メイン] 本庄アル : 「ふふっ、それじゃ私が鬼~?私こお見えても運動部なんですからね~!」

[メイン] 稗田阿求 : 「私だって”姉さん”ですもの。そう簡単には妹分に負けたりしないわ」

[メイン] 稗田阿求 : 砕けた笑みを見せると、一足先に公園を抜け出す。

[メイン] 本庄アル : 「あ、ちょっとぉ!」

[メイン] 本庄アル : 「もお……家まで一緒に帰ろうと思ってたのに」

[メイン] 本庄アル : 「珍しいなあ。おねーちゃんがああいう姿見せるなんて」

[メイン] GM : 遠くで阿求が振り向く。夕日が逆光になっていて顔は見えない。

[メイン] GM : ゆっくりと影が伸びていく。子供たちが影踏みで遊ぶ声が遠くに聞こえる。

[メイン] GM : 伸びていく影を見たとき、君はその違和感に気が付くだろう。

[メイン] GM : 阿求の影はひどく淀んで歪んでいた。

[メイン] 本庄アル : 「……!」

[メイン] 本庄アル : (……あの影、さっきの子と同じだ。)

[メイン] 本庄アル : 「阿求姉さん!」

[メイン] 本庄アル : 彼女に届くように、声を張り上げる。

[メイン] 本庄アル : 「すぐに……また鬼にしてあげるんだからね!!」

[メイン] 本庄アル : 「昔と違って、たくましくなった所見せてあげるんですから!!」

[メイン] 本庄アル : 走って姉さんの影を踏みにいくわ!

[メイン] GM : 阿求の影が揺れた。楽し気に笑っているのだろう。

[メイン] GM : 声が聞こえたか、阿求はくるりと身を翻して曲がり角まで走って行く。
そのまま見えなくなる。

[メイン] 本庄アル : 「はぁっ!はぁっ……!そこの曲がり角ね!」

[メイン] 本庄アル : 疲れた身体に鞭打ち、全力ダッシュで彼女の元へ走る。

[メイン] 本庄アル : 何故だろう、ずっと気付かれないあの少年の姿が脳裏に浮かび、嫌な胸騒ぎが私を襲っていた。

[メイン] 本庄アル : 曲がり角の向こうに姉さんはいるかしら!

[メイン] GM : 曲がり角まで付いても、阿求の姿は見えなかった。

[メイン] GM : 隠れられる場所はないし、また帰り道はここからほとんど一本道なのでまた見失っていることもないだろうとわかってよい。

[メイン] 本庄アル : 「もしかしたら、全く別の場所に行ってるかもしれないけど、けど……!」

[メイン] 本庄アル : 「これは隠れんぼじゃなくて、"鬼ごっこ"だもんね!」

[メイン] 本庄アル : 「お互い認識し合ってないと出来ないんですから!」

[メイン] 本庄アル : そのまま帰り道をダッシュダッシュ!

[メイン] 本庄アル : ……する前に。

[メイン] 本庄アル : 通行人とかって近くにいるかしら?

[メイン] GM : いてもいい

[メイン] 本庄アル : 「あの~!お急ぎで少しお尋ねしたい事が!」

[メイン] 本庄アル : 通行人に、息を切らしながら声を掛ける。

[メイン] 通行人 : 「!?」

[メイン] 通行人 : 「な、なんでしょう……」
アルの様子にちょっと気圧されている。

[メイン] 本庄アル : 「今さっき、紫髪の高校生の女の子がここを走って行きませんでした?見てたらどっちへ行ったのか聞きたくて!」

[メイン] 通行人 : 「え? う、うーん……」

[メイン] 通行人 : 「高校生くらいの子は見てない、と思いますけど……」

[メイン] 本庄アル : 「てことは、紫髪の子は見てたり?」

[メイン] 通行人 : 「み、見ました。それは」

[メイン] 本庄アル : 「どこへ向かってったか教えて欲しいの!」

[メイン] 通行人 : 「んー……あっちの方だったかな」

[メイン] 通行人 : アルの家の方……つまるところ阿求の家の方面を指さす。

[メイン] 本庄アル : 「やっぱり私の家の方……!ありがと、このお礼はまた会った時に!」

[メイン] 本庄アル : その言葉を聞き、間髪入れずに自宅の方へと駆け出す。

[メイン] 通行人 : 「……何だったんだろ」

[メイン] GM :

[メイン] GM : 走る。
明るかった陽はオレンジ色に着替えをして、無情にも西の向こうへと落ちていく…。

[メイン] GM : 夕暮れの帰り道を、君は1人で走る。

[メイン] 本庄アル : 「はぁっ……!はぁっ……!!」

[メイン] 本庄アル : (暗くなってきた……陽が完全に落ちたら、影は"踏めない")

[メイン] 本庄アル : (それは……何でか分からないけど、まずい気がする!)

[メイン] 本庄アル : 腕を振り、歩幅を広くする。酸素を肺に吸い込み、吐き出す。

[メイン] 本庄アル : 普段は部活をサボりがちで、ボランティア活動ばかりしていたのが仇となった。もっとテニス部にも顔を出していれば……!

[メイン] 本庄アル : (なんて事考えてても始まんない!今は足を動かす事だけ考える!)

[メイン] GM : そうして走り続ける、が。

[メイン] GM : そこで違和感を覚えるかもしれない。

[メイン] GM : 普段の帰り道とはこんなに長いものだっただろうか。

[メイン] GM : 走っても走っても、夕日が陰るまで終わらないほどの道のりがあっただろうか。

[メイン] 本庄アル : (家まで……こんなに遠かったっけ……!?集中してるからそのせい?でも……)

[メイン] 本庄アル : 走りながら、周りの景色を見てみるわ!
何か違和感とかは覚える?

[メイン] GM : じゃあ良い感じの技能振ってもらって

[メイン] 本庄アル : この副委員長には目星があるのよ!それでいけるかしら!

[メイン] GM : いいよ

[メイン] 本庄アル : 振っていい?

[メイン] GM : いいよ

[メイン] 本庄アル : ccb<=90 目星 (1D100<=90) > 27 > 成功

[メイン] GM : 周囲のスケール感がおかしいと思いました。
道は長く、広く……まるで子どもの頃見ていた道が、今そのまま目の前に現れているような……

[メイン] 本庄アル : 自分に目星は出来る?

[メイン] GM : いいけど特に変化はなさそうです

[メイン] 本庄アル : (……これ)

[メイン] 本庄アル : 走りながら思考を回転させる。

[メイン] 本庄アル : (この違和感、懐かしさ……そう、多分これは……)

[メイン] 本庄アル : 頭の中で、子供の頃の……おねーちゃんと過ごした日々のあの帰り道を思い出す。

[メイン] 本庄アル : くたくたになって帰るその道は、子供ながらに遠く感じたものだ。

[メイン] 本庄アル : 中学生となった今とは歩幅も違う。体力も違う。

[メイン] 本庄アル : そんな懐かしい昔の感覚が、今私の中に溢れていた。

[メイン] 本庄アル : (……まるであの頃に戻ったみたい。そういえば、昔も影踏みなんてやったっけ。あの時は……)

[メイン] 本庄アル : 幼い頃の私は体力も人より弱く、走るのは余り得意ではなかった。

[メイン] 本庄アル : ……そんな私を見かねたのか、阿求おねーちゃんは時々走る遊びを提案してきた。

[メイン] 本庄アル : 乗り気でない私を何だかんだと誘い、それでもやっぱり私はおねーちゃんに追いつけず……

[メイン] 本庄アル : でも、彼女は最後には側に来てくれた。

[メイン] 本庄アル : だからこそ……私はしぶしぶでも、走る事をやめなかったのかもしれない。

[メイン] 本庄アル : ……何でも卒なくこなすおねーちゃんに憧れていた。
自分の事を気にかけてくれる優しいおねーちゃんみたいになりたかったんだ。

[メイン] 本庄アル : 「……成長したところ、見せるんだからぁ……っ!!」

[メイン] 本庄アル : 鉛のように重い足を懸命に動かす。息を振り絞り、全力で駆ける。

[メイン] GM :

[メイン] GM : そのまま走って、走って、走った先に……

[メイン] GM : 一つの小さな人影が立っている。

[メイン] GM : まるで、足の遅い妹分を待っていたかのように。

[メイン] 本庄アル : 「……ふふ、ようやく追いついた、わ……!」

[メイン] GM : だが背丈はアルの知っている阿求のものではない。
公園で見たのと同じくらいの小さな子どものようだった。

[メイン] GM : 不気味なくらいな朱色の日を背に、その影が君の方を向いて立っている。
しかし、逆光のせいか、その相貌はうかがえない。

[メイン] 本庄アル : 「……なるほどね。そっか、あの景色はそういう事だったんだ……」

[メイン] 本庄アル : 「みーつけた、あきゅうおねーちゃん!」

[メイン] 子ども : ニタリと笑う。

[メイン] 子ども : 表情はうかがえないのに、嫌に歪んだ赤が映える。

[メイン] 子ども : その態度は遅かったと言わんばかり。

[メイン] 本庄アル : 「もお、とつぜん影踏みやるなんて言われてすっごく焦ったんだから!」

[メイン] 子ども : 「…………」

[メイン] 本庄アル : 「……ねえ。」

[メイン] 本庄アル : 「未来のわたしは、すーっごく美人で、頼れる"副"委員長になってるのよ」

[メイン] 本庄アル : 「いつまでもあなたの後ろじゃない……並んで立ってるんだから!」

[メイン] 本庄アル : 「だから……心配しないでいいんだからねっ!」

[メイン] 本庄アル : 子供の影を踏みに行くわ!

[メイン] 子ども : 影は少しゆらゆらとしてから、近づいてくるのに合わせて逃げる素振りを見せたが。

[メイン] 子ども : 数度頭を振って、足を動かすのをやめた。
影を踏もうと思えば容易に踏めるだろう。

[メイン] 本庄アル : 「……」

[メイン] 本庄アル : 「つ~かまえたっ!」

[メイン] 本庄アル : 彼女の影を踏み、彼女の肩に両手で優しく触れる。

[メイン] 子ども : 「…………」

[メイン] 子ども : しかし、確かに触れたはずの肩はするりと手からすり抜けていく。

[メイン] 子ども : 影を踏むと同時に、子どもは不定型の粘ついたような、しかし靄にも見える生き物に変わっていく。

[メイン] 子ども : アルに踏まれた影だけが原型をとどめたまま、子どもの体がずるずると影から剝がれていく。

[メイン] 本庄アル : 「っ……!」

[メイン] GM : もはや無形となった靄が溶けるように消えていく。

[メイン] GM : 「カゲトラレタ」

[メイン] GM : 「ツギノオニダ」

[メイン] GM : 「ニゲナキャ」

[メイン] GM : 形容しがたい声のようなものが発せられると、靄は夕日に霞んで消えていく。

[メイン] GM : その場に少女の形をした影を残して。

[メイン] GM : そしてにわかに日が落ちていく。

[メイン] GM : にわかに影が薄くなっていき、入れ替わるように影から阿求が現れる。

[メイン] 本庄アル : 「……あなたは逃げずにいてくれた」

[メイン] 本庄アル : 「ありがとう。私は強くなったから。」

[メイン] 本庄アル : 小声で呟く。

[メイン] 稗田阿求 : ぐったりと意識を失っているらしい。

[メイン] 本庄アル : 「大丈夫!?阿求おねーちゃん……!」

[メイン] 本庄アル : 彼女の傍らへ駆け寄り、膝の上に頭をのせて、声を掛ける。

[メイン] 本庄アル : 「……ううん!」

[メイン] 本庄アル : 「そう、私も頼りになる所見せるんだから!」

[メイン] 本庄アル : 「もう大丈夫、阿求姉さん!私が影を踏んだから影踏みは終わり!安心して目を醒ましていいのよ!」

[メイン] 稗田阿求 : 「んー……」

[メイン] 稗田阿求 : 薄く瞼を開ける。

[メイン] 本庄アル : 瞳がこちらを向くのに気づき、ふぅ……と肩を降ろす。

[メイン] 本庄アル : 「……おはよっ!」

[メイン] 稗田阿求 : 「……まずおはよう。だけど、その」

[メイン] 稗田阿求 : 「この距離は何なのかしら……」

[メイン] 稗田阿求 : 何故か起きたら膝枕をされている状況だった。

[メイン] 本庄アル : 「それはね、姉さんが影踏みに疲れて気を失っていたから」

[メイン] 本庄アル : 「地面の上に寝かせておくなんて、出来ないでしょ?」

[メイン] 稗田阿求 : 「そ、そんなことになってたの……? でもなんで眠ってたかあんまり覚えてないし……」

[メイン] 稗田阿求 : 「……ご、ごめんなさいね!」

[メイン] 稗田阿求 : がばっと体を起こす。そのまま顔をアルに向けないようによそを向いた。

[メイン] 本庄アル : 「おっとと」

[メイン] 本庄アル : 「……ふふ~ん」

[メイン] 本庄アル : 「そんな焦った姉さんの姿見たことない!いいもの見たわ~」

[メイン] 稗田阿求 : 「人を、からかう、ものじゃ、ありません」

[メイン] 稗田阿求 : 「まったくもう……少しは大人になったかと思ったのにね」

[メイン] 本庄アル : 「……っ!」

[メイン] 本庄アル : 「……やっぱ、敵わないなぁ……」

[メイン] 本庄アル : 「でも、私も少しは並んで歩けるぐらいにはなったんだから!……いこ?」

[メイン] 本庄アル : 立ち上がり、彼女の方へ手を差し出す。

[メイン] 稗田阿求 : 「ええ、もう帰らないと怒られちゃうわ」

[メイン] 稗田阿求 : 夕日が沈むのが門限。もっとももっと子どもの頃の話だったが。

[メイン] 稗田阿求 : そんなものがふと口に出たのは、その頃の思い出が阿求にも強く残っているからかもしれない。

[メイン] 稗田阿求 : 阿求もアルの手を借りて、服のほこりをはらってから立ち上がる。

[メイン] 稗田阿求 : 「ありがとうね」

[メイン] 稗田阿求 : 介抱についてか手を貸してもらったことか、それともそれ以外に何か助けられていたのか?

[メイン] 稗田阿求 : あえてそれを言わないのは……

[メイン] 稗田阿求 : (私自身大人じゃないのかもね)

[メイン] 本庄アル : そんな姿を横目に見て……

[メイン] 本庄アル : 「どういたしまして。こうみえても私……」

[メイン] 本庄アル : 「世界の副委員長なんですから!」

[メイン] GM :

[メイン] GM :

[メイン] GM : こうして夕方が終わる。
いつの間にか元通りになった道を辿ればすぐに家に付くはずだ。
もう日は落ちて影は見えないが……
きっと見なくてもその形は知れるだろう。

[メイン] GM : 何処からともなく子どもの歌声が聞こえる。

[メイン] GM : おてて つないで かえりましょー♪

[メイン] GM :